実は多い子供の抜毛症!中学生の娘への親の接し方について

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昨今時代の流れとともに増加していると言われる抜毛症。特に精神的に未成熟な10代に多いとされています。基本的には大人になるにつれて改善していくことがほとんどですが、30代~40代の方にも症状に悩まされている方はいらっしゃいます。

そんな時、最も身近で手を差し伸べることができるのはご家族の方のみとなります。私は美容師を10年以上経験した中で抜毛症に悩むご家族を多く見てきました。その中で経験した親子の悩みや子供への接し方についてのお話などを現在も抜毛症に悩まされている方のお力になれればと思いご紹介させていただきます。

子供が毛を抜いているところを見たら理解してほしい事

抜毛症(トリコチロマニアとも呼ばれます)とは無意識の状態で自身の毛を抜いてしまう症状のことを言います。毛というと髪の毛ばかりが注目されがちですが実は症状は様々で抜く対象がまつ毛だったり眉毛だったり、場合によっては数カ所を継続的に抜いてしまったりと人によって大きく異なります。本人が認識していないこが多いので人に指摘されて気が付いたという方も多くいらっしゃいました。

私が接客した中で実際にお伺いした抜毛症となった主な原因をいかに記載いたします。

中学生~高校生
・受験勉強または試験勉強
・いじめ(教室内や部活動など)
・家庭内のトラブル
・その他交友関係

大人
・社会に出た際の不安や緊張
・会社内での人間関係
・うつ病を発症後の合併症
・その他交友関係

上記のような日常的に継続して起こりうる問題から毛を抜くことで、ストレスから解放されて気持ちを保つことができると考えられています。また、症状が進行していき毛が少なくなるほどに抜毛行為をやめることができなくなり、エスカレートするという研究結果もあるほどです。一度発症すると環境次第では長い付き合いとなることが多いのでご家族の方の協力が不可欠と言えます。

意外と多い抜毛症に悩まされている子供と家族

普通に日常生活をしていると同じ抜毛症という悩みを持った人を見かけることは少ないかもしれません。私自身、日常生活の中で関わる人の中ではほとんど見かけたことがありません。ですが、私が実際に勤務していた美容室では週に5人前後はお客様として来店してくださっていた方がいました。男女比としては女の子の方が多いかもしれません(美容室だからということもあるかもしれませんが)

学校や職場などの限られた環境の中では自分以外の人にはあったことがない人がほとんどでしたが、実は身近な生活圏の中で同様の悩みを持っている方は結構いるのです。来店してくださるお客様の中には自身の髪ではなく普段愛用しているウィッグのカットを希望されることもあり複数所有してファッションを楽しんでいた方もいましたね。

絶対NGな接し方

抜毛症の方との接し方にお悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。実際に原因が自分にあるかもと考えている親御さんの中にはどのように接してよいのか分からないという方が多かったです。また、抜毛症の症状自体あまり認識されていない方もいらっしゃって誤った接し方をしてしまったと後悔している方もいます。ではどのような接し方が良くないのでしょうか?チェックしていきましょう。

  • 髪の毛を抜かないように厳しく指導する
    抜毛症は本人で髪を抜いてしまう行為です。その性質上、本人に辞めさせるように注意すれば収まると考えてしまう方がいらっしゃいます。ですが、それは大きな間違いです。かえってストレスを抱えさせてしまいます。抜毛症の方は自分でも止めたいと考えており見た目などの変化をとても重く受け止めています。それを注意することは逆効果になります。
  • 本人の意見をしっかりと聞いてあげない
    親御さんに多いのが『うちの子供はこう思っているはず』、『うちの子供はこんな子です』などとグイグイ押してきている方がいました。美容室に来店してくださっていたお客様の中にも何かを話そうと頑張っているお子さんに気を使ったのか代わりに話してあげているお母さんがいましたが、お子さんがお店になれてたくさんお話してくれるようになったころにポツリと『私の意見を勝手に決めつけないでほしい』と言っていました。しっかりと家族内でコミュニケーションがとれておらずお母さんの一方通行であった一例と言えますね。
  • 原因を無理に聞き出す
    『なぜ抜いてしまうの?』、『何が嫌なのか』、『いじめられているの?』など子供にとっては親にとてもいいにくい問題となります。本人が自発的に言えるようにしてあげることが重要です。しっかりとコチラに聞いてあげられる準備があることだけ伝えるようにして、強引に聞き出すようなことは避けましょう。

抜毛症に悩む家族との接し方

大前提として知っておいてほしいことは抜毛症の子はしっかりと自身の症状についてのマイナス面を自覚しています。それを指摘することは改善することには効果がありません。かえってストレスを与えるだけということをご理解ください。下記に抜毛症の方ご本人からうかがった内容を少しまとめましたので接し方の参考にしていただければと思います。

  • 抜かないほうが良いとは分かっているのにやめられない
    無理にやめることを意識させる必要はありません。かえってストレスを与えるだけになります。
  • 毛が減ることで外見に変化が出ている自分を恥ずかしいと思っている
    気にしすぎることでかえってストレスが増加してしまいます。年頃ということもありとてもシビアな問題となります。ウィッグなどの使用も検討してみても良いかもしれません。
  • 無意識に毛を抜いてしまう
    指摘するのではなく注意を引き付けることも良いとされています。話しかけてみたり、手を動かす作業をお願いすることで手持無沙汰になり自然と髪を触ってしまうことを防ぐことができます。

抜毛症に悩んでいる子供は上記のようなことはとても感じていますし理解をしています。ですが、残念ながら中学生や高校生などでは周囲の発言もストレートなことが多いので日々の日常生活で理解を得るのも難しいかもしれません。ですが、日常の生活に少し変化を付けるだけでも変えられる部分があります。

まとめ

今回は抜毛症に悩んでいるご家族に出来る接し方についてお話ししました。主に私が実際に抜毛症に悩む親御さんのお話を聞いた経験談とお客様としてご来店していたお医者様とのお話をもとに作成しております。

抜毛症にに関しては専門的な治療もあまり多くなくほとんどの場合は年齢とともに改善されていくと言われていますが、社会人になってから環境の変化で再発することもあります。

人によっては長い期間付き合う病気となりますので本人だけではなく周りの協力がとても大事となりますのでもし本記事を読んで少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

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