引っ越しや海外旅行などでシャンプーをした際に普段と同じシャンプーとトリートメントを使用しているのにいつもと違う仕上がりになったことはありませんか?
例えば、
『いつもより髪のまとまりが悪い』
『ドライヤーをした際に髪が少し乾きにくい』等々
では一体なぜこのようなことが起こってしまうのでしょうか?その原因は実は水の硬度にあります。今回は日本では普段あまり気にすることのない水の硬度とシャンプーの関係についてお話していこうと思います。
日本の水道水の硬度
皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、水の硬度は大きく分けて軟水と硬水があります。その分け方とは金属イオンと呼ばれるカルシウムとマグネシウムなどの含有量が影響していて下記のようになります。
- 軟水 カルシウムとマグネシウムの量が少ない(120mg/l以下)
- 硬水 カルシウムとマグネシウムの量が多い (120mg/l以上)
では日本の硬度とはいったいどのあたりなのでしょうか?日本の全国の平均高度は120mg/l未満で軟水の国となります。ですが、その中でも地域差というのがあります。日本は基本的に軟水の国ですが、関東圏や九州、沖縄の一部地域で若干硬度が高い傾向にあり、より高度が低い地域に住んでいる人が、これらの地域でシャンプーを使用した際には、その違いに困ることもあるかもしれません。ちなみにですが海外などでは硬度が200mg/l以上の地域も多く、よりその影響を感じやすいです。
金属イオンとシャンプーの関係
では一体これらが多いことで何が起こるのでしょうか?その一番の問題は石鹸カスの生成です。いきなり石鹸カスと言われてもピンとこない人もいるかもしれませんが、普段よく目にする石鹸カスとはお風呂場の鏡や置きっぱなしになっているシャンプーボトルなどに付着している白いうろこ状になっている粉のようなものです。人によっては水垢という言葉の方が聞きなれているかもしれませんね。
お風呂掃除をしてるとこういった汚れの頑固さが分かりますよね?しっかり擦って落ちたかと思っても時間がたって風呂場が乾燥してくると浮き上がってくるあの厄介さです。爪で削ると落ちますが風呂場をすべて削るのはとてもできるものではないです。この厄介な石鹸カスという存在が実はシャンプーやせっけんを使用した際に水道水に含まれる金属イオン(カルシウムやマグネシウム)と化合した結果、生成されたものになります。
ここまで言うと大体お分かりとは思いますがその石鹸カスが硬度の高い地域ではより多く発生しシャンプーをした際に生成されることで髪の毛に付着しゴワつきやべたつきの原因となります。
高い硬度で起こるデメリットと対処法
地域によってシャンプーをした際の仕上がりが変わってしまう原因が石鹸カスにあるということが解って頂けたと思います。ですが、。硬度の高い水には下記のような仕上がりにかかわる影響が多くあります。
- 石鹸カスが髪に付着して蓄積することでフケのようになる
- 硬水にシャンプーが溶けにくく泡立ちが悪い
- 汚れが落ちにくい
- ・頭皮への刺激性
このような影響を及ぼすことで地域によってシャンプーの仕上がりが大きく変わってします原因となっています。ではこのようなことにならないためにはどのような対策が必要になるのでしょうか?
- 酸性シャンプーを使用する
数あるシャンプーの中でも酸性シャンプーは石鹸カスができにくくほかのシャンプー剤に比べて硬水による影響を受けにくいです。肌への刺激性もシャンプー自体が優しい洗浄成分を使用しているのでお肌の弱い方にもお勧めできる方法ですね。ちなみにですが、お風呂の鏡などの石鹸カス汚れも酸性のお風呂用洗剤で落とすことができます。
- クエン酸リンスを使用する
石鹸シャンプーなどを普段から使用している人には馴染みがあるかもしれませんが、そうでない方のためにご説明させていただきます。石鹸シャンプーはアルカリ性ですので使用すると髪がアルカリ性に傾いてしまいます。それを防ぐために専用のリンスとしてクエン酸リンスの使用をお勧めしているメーカーさんが多いのですが、理由はそれだけではなく髪に付着する石鹸カスの除去も兼ねいてます。硬度の高い地域で石鹸カスによる悩みをお持ちの方には、このクエン酸リンスを取り入れるのがとても効果的です。
- 軟水を利用する
究極的に言えば結局はコレです。水質自体をコントロールしてしまえば良いわけです。最近では手軽にシャワーヘッドの取り換えだけでフィルターによる金属イオンの除去ができるものもあります。少しお値段は張りますが余計なものを使用せずに、いつも通りのシャンプートリートメントを使うことができますのでお気に入りの香りを変えたくない人にはお勧めです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は地域によって変わる水の硬度によるシャンプーの仕上がりと対処法についてご紹介してきましたが、硬水がすべて悪いと言いたいわけではありません。
日本のシャンプー自体、基本的に軟水での使用を想定して作られている関係上どうしても水の硬度が上がると思ったような効果が発揮できないような作りとなっています。特に海外などに行った際に影響を感じるようであれば現地のシャンプーを使用すると泡立ちも良くなり、汚れをしっかりと洗い流すことができます。
硬水は飲み水として利用すれば口当たりは若干の癖がありますが、利尿作用がありお通じ、も良くなります。 これが美意識の高い女性に人気のワケになりますが、どうしても日本のシャンプーを利用した際には本記事でご紹介した影響が出てしまいます。
ただ国内の場合はそれほど顕著ではなく、ごくわずかの影響で人の髪であればその差を感じることもほとんどないはずですが、自身の髪となるとそのわずかな影響でも普段との違いは気になるものです。引っ越し先でのシャンプーの仕上がりの違いがある場合はぜひ本記事を参考にしていただければと思います。